ワインバー ルー
オーナー 池田卓矢さん
•ソムリエ(J.S.A.日本ソムリエ協会認定)
•北海道らしい食づくり名人
『道産ワインの魅力と可能性を伝えるワイン名人』
ワインの魅力を伝えています
北海道産ワインの魅力を広く知ってもらうために、全国各地でイベントの企画運営などを行ってきました。2008年から始まった札幌オータムフェストでは、北海道の食をコンセプトとした7丁目会場の企画運営に携わった経験もあります。そして、2020年に北海道のワインの魅力を伝えている「ワインバー ルー」を事業継承し、現在では100種類のグラスワインを提供するお店としてワインの魅力を伝えております。
私は北海道旭川市の生まれで、地元のホテルマンとしてキャリアをスタートしました。当時の旭川にはソムリエがおらず、ワインの勉強を始めたのがきっかけで、のめり込んでいきました。札幌に出てきてからはワインショップの「エノテカ」と「グランヴァンセラー」というワイン専門店に勤め、沢山の北海道のワイン生産者の方々と出会い、ワイン造りの難しさや、風土の違い、気候などの厳しさを知り苦難の中から造られる北海道のワインを応援するようになりました。その後、フリーランスソムリエとして北海道産ワインのイベントを全国各地で企画運営してきました。セミナーやワイナリーツアーなどでワインの講師やガイドなども務めています。
北海道の気候風土が生み出すワインの魅力は、他にないオリジナリティ溢れる味わいです。その個性の魅力を伝えることが使命だと感じております。昨今の円安による海外ワインの高騰や、ナチュラルワインブームがけん引となり、北海道のワインに注目が集まってきており、とても嬉しく思っています。
当店では、100種類のワインを提供していて、そのうち50種類ほどが北海道産ワインです。ボトルではなく、全てグラスで提供しているのも特長です。バリエーションが豊かで個性がいろいろあるので、お客様の好みに合わせておすすめしています。それぞれの特徴がよく分からないという方や、新しいワインとの出会いも楽しみたいという方もいらっしゃるので、ちょっとずつ10種類の北海道産ワインを飲めるセットも提供しています。
気さくで「ソムリエらしくないソムリエ」と言われることもあるという池田さん
長原覚さん、ちさとさんがチーズに真摯に向き合う姿勢に共感
最近の北海道のチーズは、国際的にも高く評価されています。もともとは、ワイン同様チーズも昔はあまり評価されていませんでした。ですが、最近は本当に非常に品質が高く、人気も出てきました。私は以前、本州の北海道物産展で仕事をすることが多くて、ワインショップの店長時代も北海道産ワインと一緒に北海道産のチーズの販売をしておりました。
そこで、チーズ生産者の方々の想い(苦難や情熱)を伺い、応援する気持ちで様々なチーズを自分のお店で使うようになりました。そして、TOYO Cheese Factoryの代表取締役の長原覚さんとの出会いは、かけがえのないご縁となりました。「十勝を世界に発信する1つのツールとしてチーズは最適・最高で、世界に評価されるものを作る」という長原さんのコンセプトがとても魅力的だったので、僕は長原さんのチーズを応援しようと思いました。
長原覚さんはとにかくかっこいい!十勝を盛り上げていこう、世界に発信するんだっていう信念があるところに惹かれました。味だけでなく、考え抜かれたフォルムや高級感にも感銘を受け、応援し続けています。また、同社の長原ちさとさんもすごい人。チーズの専門知識やカット技術、テイスティング能力などを競うフロマジェ選手権で、日本1位、世界3位を取るのは並大抵ではないことです。(第3回日本最優秀フロマジェ選手権大会2021 優勝・世界最優秀フロマジェコンクール2021年第3位)
そんな魅力的な人たちが手掛けるチーズ「age」。最初は正直なところ、金額が高いと感じました。しかし、使い続けて味わっていくうちに、とてもコスパの良いチーズであることに気付きました。ただ、見た目の高級感から高そうというイメージは払しょくできないと思ったので、利害関係がない第三者である私がその魅力を伝えることで拡販に繋がればと思い応援しています。
私は北海道で暮らしており、北海道で生み出された製品を使うことを生業としています。そのため、北海道の産業を応援することは、私にとってごく自然なことなのです。
大切にしてきたのは人との繋がり。長原覚さん、ちさとさんとの出会いもかけがえのない縁のひとつ
お店のお通しでage のチーズを提供する理由
当店では、長原さんのチーズをお通しとして提供しているため、ご来店されたお客様すべてがageのチーズを食べることになります。この素晴らしいチーズとの出会いのきっかけを提供出来ることに喜びを感じています。この機会がないと、このチーズはただ「高級な箱に入ったチーズ」という認識で終わってしまいますが、味わってもらうからこそ、そのおいしさや価値を感じてもらえて、会員になってくれていると思います。
お店では、1(ハード)、3(ゴーダ)、4(チェダー)、7(ハード)をお通しで通常出していて、2(ラクレット)は別料金で出しています。人数に合わせて数種類をこちらで組み合わせて提供しています。お出しする時に、それぞれのチーズの説明が書かれたPOPを見ていただけるようお声掛けもしています。「気に入りましたらぜひ購入してみてくださいね」と付け加えて。
ageのチーズが美味しいお陰で、ワインをたくさん飲んでいただけるのでとても感謝しております。
池田さんのバーでワインとともに多くの人を魅了してきたお通しのageのチーズ
普段の生活に自然に溶け込む―――それがこのチーズの価値
繰り返しますが、「age」は本当に素晴らしいチーズです。自分で買った人は、知らず知らずにこの価値を感じているはずです。ただそこには気づいていないだけです。みんな気づかないぐらいごくごく自然にその買ったチーズを家の冷蔵庫の中に入れて、食卓の上で自然に消費して・・・そしてある時きっと気づくんです。「こんなにおいしくて、こんなに使い勝手が良いチーズってある?めちゃくちゃよくない?」みたいな感じで。
おいしさに加えて、「使い勝手がいい」のも、実は大きな特徴のひとつです。一般的にチーズは自分で切らなくてはいけませんが、これはパチッと開けて食べればいいだけ。パッケージを見れば当たり前なんですが、その当たり前のありがたさに気づいた時に、このチーズがすごいってことが改めてわかります。
例えば、ちょっと知り合いの家に持って行った時も、チーズをブロックで持っていったら、台所を借りたりして切らなくてはいけませんが、これだったらこの筒を開けたらすぐに食べられます。こんな簡単に、みんなが楽しく食べられて、しかも質が高いということが素晴らしいです。ものすごく便利なのに、あまりにも自然なので、普通にそのまま消費されているかもしれませんが、体感した人はおそらく潜在的に理解していて、「じゃ、またあのチーズをお出ししよう」となっているはずです。
「普段の生活の中に、ごく自然に馴染む」といった個性を持ったチーズなんです。気が付くとつい手が伸びてしまうような、無意識に食べれば食べるほど、次第にその奥深さに気が付くという実力を秘めたチーズ。実は、そうした馴染んでいくチーズこそ本当においしいものだし、上質で価値の高いものだと思います。これこそがageの真骨頂であり、その魅力の虜になる人が増えれば増えるほど、ageのチーズの価値もさらに高まっていくと確信しています。まだ食べたことのない人たちにも、この価値をぜひ手に取って感じてもらいたいですね。