STORY 02

北海道発の安全で、
美味しいチーズづくり。

七海一樹

PROFILE

東陽製袋株式会社
専務取締役

七海 一樹

1987年6月7日 北海道更別村七海牧場の長男として生まれ、帯広農業高校酪農科学科卒業後、よつ葉乳業入社、乳製品製造・食品衛生管理に従事。2017年東陽製袋入社、TOYO Cheese Factory建設に携わり、工場管理全般を行う。趣味はスキューバダイビング、フライフィッシング。

PADI オープンウォーターダイバーNo.PJ17614056 / C.P.A認定 チーズプロフェッショナル / ギルドインターナショナル Garde et Juré / J.S.A ワイン検定 Bronze・Silver Class / さらべつ村ふるさと館チーズ作り講座 特別講師

七海一樹と
TOYO Cheese Factory

専務取締役兼製造責任者の七海一樹は、更別町にある七海牧場で生まれ育ちました。TOYO Cheese Factoryに入社する前、彼は実家の七海牧場で搾った生乳がどのように加工されているかを深く理解するため、大手乳業メーカーで11年間勤め、製造プロセスと衛生管理に関する高度な知識と経験を積みました。この経験を通じて、彼は自家製の単一生乳を使用してチーズを製造するという夢を強く抱くようになり、その夢を実現するためにTOYO Cheese Factoryに入社を決意しました。

自社ミルクローリーで
安心安全、おいしい素材

TOYO Cheese Factoryの「age」ブランドでは、安心安全で高品質なチーズを提供するために、原料の生乳に徹底してこだわっています。自社で所有する3トンのミルクローリーを用いて集乳し、新鮮な生乳のみを使用する生産体制を確立しています。これは、大手メーカーが多くの場合、様々な酪農家の生乳を混合して使用するのとは異なり、ageでは十勝管内の4つの牧場から単一の生乳のみを集荷し使用することで、牧場ごとの特徴を生かした多様なチーズを製造可能にしています。このような取り組みは、伝統的な製法に固執せず、新鮮な生乳を活かした革新的な製造方法を追求する「age」の姿勢を反映しています。

すべてが十勝産牛乳。
オーガニック牛乳を含むすべての牛乳が高品質。

七海一樹の出身である更別村の七海牧場や、オーガニック牛乳の生産に取り組む広尾町の鈴木牧場など、市町村を跨いで十勝管内の4箇所の牧場から生乳の集荷を行っています。十勝の酪農を応援し、十勝産の牛乳のおいしさを全国、さらには世界に発信するため、ageは信頼のおける酪農家さんからいただいた生乳を大切に熟成させています。

食品安全の国際規格
「FSSC22000」取得

TOYO Cheese Factoryでは、「age」ブランドのチーズ製造において、高度な衛生管理に注力しています。2021年には、七海一樹のリーダーシップの下、大手乳業メーカーでの経験を活かして食品安全の国際規格「FSSC22000」をわずか半年で取得し、その認証を継続しています。この取得は、工場運用全般のシステム化を目指し、安心安全な製品作り、安定した品質、人員に依存しない製造管理を実現するために導入されました。小規模事業者でありながら、規格に達する徹底した衛生管理により、特別な味わいを持つ安全な「age」チーズが製造されています。また、輸出を視野に入れ、設計段階から国際規格対応工場への取り組みが行われています。「FSSC22000」の取得過程での最大の課題は、食品安全と安定品質に対して継続して高い意識を持ち続けることでした。

チーズ作りへの情熱とビジョン。

七海が語る「age」チーズ作りの心は、季節ごとに変わる生乳の特性や、牧場ごとに異なる生菌数と体細胞数を丁寧に理解し、それを活かすことにあります。チーズの味わいを左右するのは、選び抜かれた高品質の生乳と、その生乳を育む熟成環境です。これを支えるため、「age」では、生乳の厳しい受入検査から日々の風味や組織のチェック、出荷前の細かな検査に至るまで、愛情を込めた品質管理を行っています。七海さんの夢は、牧場の個性が光るチーズを日本だけでなく世界に届けることで、酪農家のプライドを高め、安定した酪農生活を後押しすることです。